外貨建て生命保険ってなに?

主に「米ドル建て」や「豪ドル建て(オーストラリア)」の商品があります。
〇 外貨建て生命保険のメリット
円建ての生命保険と比較した場合、米ドル建てや豪ドル建ての生命保険の方が予定利率が高く設定されてるので、貯蓄性に優れています。
以下の図は、日本、アメリカ、オーストラリアの10年国債の利回りの推移を表したグラフです。
現在日本ではマイナス金利が導入されていて国債の利回りは低くなっていますが、アメリカやオーストラリアでは日本よりかなり高い数値となっています。
外貨建ての生命保険は予定利率が高いので、保険料が安く設定されています。
円建て生命保険に比べて大きな保障を準備しやすくなっています。
〇 外貨建て生命保険のデメリット
外貨建て生命保険は、為替相場の変動による影響をうけやすくなっています。
為替相場の変動による価格変動リスクを「為替リスク」といいます。
外貨建て保険の場合、保険金や解約返戻金を受け取る場合、多くの方は日本円に換金して受け取りますので、この際の為替リスクは保険契約者、または保険金受取人に帰属します。
〇 保険金、解約返戻金受取時の為替リスクの例
10万米ドルの保険金を受け取る場合、1米ドル=90円の場合と、1米ドル=120円の場合では、日本円に換算した場合300万円の差が発生します。タイミングによっては受け取る保険金が元本割れを起こす場合もあります。
逆のパターンもあり、為替の変動により、保険金や解約返戻金等が増えることも当然あります。
〇 保険料払込時の為替リスクの例
払込む保険料も為替の影響を受けます。
月払い保険料=100米ドルの場合、1米ドル=90円の場合と、1米ドル=120円の場合では、日本円に換算した場合3,000円の差が発生します。90円と120円は極端な例ですが、月払い契約の場合は毎月の払込保険料は変わってきます。
電気料金やガス料金は毎月変動してもストレスはあまり感じませんが、保険料が毎月変動することにはストレスを感じる方もいるようです。
〇 為替リスクの回避策(例)
解約の場合は為替の状況である程度解約時期をコントロールできますが、満期保険金や死亡保険金などの受取は支払の時期が決まってきてしまうため、そのタイミングで為替の状況がよくない場合、困ってしまいます。
その際は、金融機関の円口座ではなく、外貨口座に保険金等を振込、日本円に換金するタイミングを計ります。
また保険会社によっては、所定の範囲で外貨のまま据え置くことも可能な場合もあります。
はじめて外貨建て生命保険を検討される方は、リスクをしっかり理解して利用すれば、将来の運用結果に大きな成果を生むことも可能ですので、保険のプロに相談したうえで上手に活用していきましょう。