生活習慣病とは
生活習慣病とは、食生活や運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣によって引き起こされる病気の総称です。
生活習慣病に関連する病気として、「がん」「心疾患」「脳卒中」「糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「肥満」などの病気があげられます。
以前は、これらの病気は、加齢とともに発症すると考えられていたため、成人病と呼ばれていました。
しかし、近年、糖尿病、高血圧などの病気は、食生活や喫煙、飲酒、運動習慣などの生活習慣が関わっていることが明らかになってきました。
そこで厚生労働省は成人病を「生活習慣病」と呼ぶようにしました。
〇 死因別死亡数の割合
平成27年の死亡数を死因順位別にみると、以下のようになります。
第1位・・・悪性新生物(37万131人)
第2位・・・心疾患(19万5,933人)
第3位・・・肺炎(12万846人)
第4位・・・脳血管疾患(11万1,875人) となっています。
※ 厚生労働省「平成27年 人口動態統計」
より
第1位の悪性新生物では、平成27年の全死亡者に占める割合は28.7%で、全死亡者のおよそ3.5人に1人は悪性新生物で死亡していることになります。
※「心疾患」は高血圧性を除く心疾患
死因のうち、一見多いように感じる事故による死亡よりも圧倒的に多いのが病気です。
死因割合の約9割は病気によるものです。
〇 年齢階級別にみた死亡順位
※「心疾患」は高血圧性を除く、「先天奇形等」は先天奇形・変形及び染色体異常
15歳~39歳までは「不慮の事故」よりも「自殺」での死亡が多くなっております。
40歳以降は悪性新生物での死亡が一番多く、「心疾患」、「脳血管疾患」の生活習慣が原因で発症する疾患が多くなっているのが分かります。
〇 交通事故の発生頻度(参考データ)
(平成27年中の交通事故の発生状況:交通事故総合分析センターより)
参考として交通事故での発生頻度のデータを掲載しました。
平成27年においては「約2時間10分に1人」が交通事故で亡くなっております。
〇 3大疾病が原因での死亡者数
悪性新生物が原因で亡くなる方は、平成27年では「37万131人」です。
交通事故で亡くなる方が4,028人(年)で「約2時間10分に1人」に対して、悪性新生物では「約1分25秒」に1人です。
悪性新生物で、年間約37万人が死亡すると聞いても漠然としていてピンときませんが、「1分25秒に1人」のかたが悪性新生物で亡くなっていると考えると、とても他人事ではありません。
心疾患や脳血管疾患での死亡者数もとても多くなっています。
〇 生活習慣病の予防法
生活習慣病予防には以下の5項目について日頃より心がけましょう!
① 食事
・ 栄養バランスが取れた食事をする
・ 食事の最初に野菜を食べる
・ 規則正しく3食食べる
野菜を先に食べることで、糖が体に取り込まれるスピードを緩やかにすることができ、体への負担を和らげます。
他にも、がんの元となる傷つけられた細胞を修復する役割もあります。
また、食事を抜いたりすると、肥満や急激な血糖値上昇の原因になります。
② 飲酒
・ 飲む量は適量にする
・ 休肝日を作る
適 量・・ビール500ml、日本酒1合、焼酎0.6合
休肝日・・1日/週程度
③ 禁煙
・ 禁煙する
禁煙は、血管を収縮させ、高血圧の原因になります。また、ガンを誘発することでも知られています。
④ 運動
・ 運動を習慣的に行う
運動肥満を予防し、ストレスの発散にもなります。
毎日時間を作って運動することだけが運動ではありません。生活の中で姿勢を正す、階段を利用する等でも効果があります。
⑤ 睡眠・ストレス
・ 休養を十分とる
睡眠不足は疲労の蓄積を招きます。
また、過剰なストレスは血圧や血糖の上昇、免疫力の低下などの原因にもなります。
日本人の多くが生活習慣病で亡くなっています。身近な病気ではありますが、症状が出ないために気付かず、悪化させている人が多くいます。まずは、できることから自分の生活習慣の改善を図っていきましょう!