公的年金 基本的な仕組み
老後を支える公的年金。どんな仕組みになっているか簡単にまとめました。
まず、国民年金は加入者を年齢や職業で「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」と3種類に分けています。
区分については以下の図の内容です。
第3号被保険者については、昭和61年4月1日より始まった制度で、サラリーマンや公務員の妻などが保険料負担なしで国民年金に加入できます。
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日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金(基礎部分)1階と、会社などに勤務している人が加入する厚生年金の2階建てになっている。
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〇「国民年金」の仕組
国民年金の場合 | |
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加入する人 | ・自営業者 ・学生 ・主婦など 20歳以上60歳未満の国内在住者 |
支払う保険料 | 令和2年度 月額 16,540円 (収入に関係なく定額制) サラリーマン等の妻または夫で扶養されている人は負担はゼロ |
支払方法 | 振込・口座振替・クレジットカード・コンビニ・インターネットなど |
支払う期間 | 原則として20歳~60歳に達するまでの40年間 |
受取の年金種類 | 老齢基礎年金 |
年金の受取額 | 最高で 781,700円 (令和2年度) 加入期間によって異なる |
支給年齢 | 65歳から一生涯 60歳から繰り上げ、70歳まで繰り下げの支給も可能 |
物価変動の対応 | 前年の全国消費者物価指数の変動率や賃金変動率などに応じて、毎年4月分からの年金額が改定される。 |
〇「厚生年金」の仕組
厚生年金の場合 | |
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加入する人 | ・会社員 ・公務員 ・船員など 国民年金にも同時加入する |
支払う保険料 | 2017年9月以降は 9.15%で固定される (同額を会社が負担している) |
支払方法 | 給与天引きで支払 |
支払う期間 | 在職中(最長70歳になるまで) 20歳未満の人も支払う |
受取の年金種類 | 老齢基礎年金と 老齢厚生年金 |
年金の受取額 | 年150万円~250万円くらいの人が多い。 (基礎年金と厚生年金の合計額) 加入期間・生年月日や現役時代の平均年収額(賞与を含む)で個人差がある |
支給年齢 | 生年月日に応じて段階的に61歳から65歳へと引き上げ。 60歳から繰り上げ、70歳まで繰り下げの支給開始も可能 |
物価変動の対応 | 前年の全国消費者物価指数の変動率や賃金変動率などに応じて、毎年4月分からの年金額が改定される。 |
〇「共済年金」
共済年金に加入していた公務員や私立学校教職員が2015年10月以降は厚生年金に加入し、2階建ての部分の年金は厚生年金に統一されました。(基本的に厚生年金に揃える)
変更のポイント
・共済年金と厚生年金の制度的な違いは、基本的に厚生年金に揃えて解消
・保険料を引き上げ、最終的には厚生年金の2017年9月以後の保険料18.3%に統一
(本人と会社の合計 本人=9.15% 会社=9.15%)
・共済年金の3階部分(職域年金相当)は廃止し、新たな3階建て部分として退職等年金給付を創設
〇「企業年金・国民年金基金」
年金制度は他にも、企業が任意で設立し社員が加入する「企業年金」や、国民年金の第1号被保険者が任意で加入できる「国民年金基金」などがあります。
これらはそれぞれ厚生年金、国民年金(基礎年金)に上乗せされて受給することができます。
※表示の数値等は作成時や調査時点のものであり、制度の見直しや改正等で変更となる場合がありますのでご了承下さい。